僕は天使じゃないよ

[リクエスト受付中] [130cm] 僕は天使じゃないよ [VJ010487]

◆キーワード―― 舞台は震災の影響まだ色濃い大正末期から昭和初期の東京… 希望に満ちた華やかさもいつしかズルリと腐り落つ。 出口の見えない不景気とジワリと近づく軍靴の響き。 時代はくだんの『漠然とした不安』にド○リと沈み込みゆく。 社会不安は知識人に重大な知性の危機をも引き起こした。 深刻な自己喪失に直面した彼らは刹那の刺激に逃げ場を求める。 麻薬のように刺激を渇望し、酸鼻極むる倒錯の世界へ身を投じる男女の狂態。 不安を仮面に隠した紳士淑女が群がるサドマゾ恍惚の宴。 打てども打てども、この絶望は消えぬ。 ひたすら堕ちゆく、投げ込まれし小石の如く。 甘美な『死』の誘惑と、苦渋に満ちた…しかし決して捨てえぬ『生』への執着。 表裏一体の自己愛と自暴自棄。 退廃の鈍い光に照らされ浮かび上がる、エゴの歪みのグロテスクな美しさを見よ。 悦虐の果てに魂の救済はあるのか? 人間の業に刃を突き立てるSMゲームの新しいアプローチ。 表現の全てが未体験の世界。 退廃に彩られた絢爛なる舞台。まるで踊るように人物が絡み合う。 彼らのたどる数奇な運命。 醜悪さに潜む背徳的な美しさ。反道徳的であることへの快感。 初めて体験する混乱と興奮。 徹底した唯美快楽主義。 原画・キャラクターデザイン:さっぽろももこ、音楽:BIGたあぼう/さっぽろももこ、 シナリオ:うつろあくた。 『檸檬~影絵亭ノスタルジヤ~』『かなりあ三部作』のSTAFFによる、 大正・昭和ストーリー最新作。 新感覚、ダウナー系エンターテイメント。 初体験の違和感に嫌悪を抱きながらも、貴方はこの妙(たえ)なる残酷から目を逸らせない。 ◆ゲームの目的―― 舞台は倒錯した性を売り物にする秘密の倶楽部『マスカレヱド』。 そこで主人公は柘榴という不思議な女と知り合い、過激な倒錯の世界を体験します。 主人公はあししげくに異常なパーティへと赴き、新たな世界を開いてゆきます。 また主人公は同時に身分を隠して孤児院で働く清楚な少女、百合乃とも通じています。 最初は無垢な百合乃も次第に羞恥を中心とした歪んだ性への素養を見せはじめます。 主人公は二重生活を送りながら正反対の少女と深い倒錯へと耽ります。 本作は『檸檬』『かなりあ』に引き続き、大正時代を舞台にした物語となっています。 ただし前二作品に較べると時代は下り、昭和初期といったほうが正しいかもしれません。 関東大震災以降の日本は大不況、戦争…と、大正ロマンの華やかな雰囲気から、 失意と絶望の闇の時代へと沈みこんでゆきます。 『僕は天使じゃないよ』はそんな時代の物語です。 社会不安は知識人に重大な知性の危機をも引き起こしました。 深刻な自己喪失に直面した彼らは刹那の刺激に逃げ場を求め、麻薬のように刺激を渇望してゆくのです。 物語―― ●発端 ・古物商店主から市蔵への手紙 お尋ねの「マスカレヱド」件ですが、あの会合は秘密厳守の会員制となっております。 残念ながら、場所も日時も明かすことはできません。 身分や人格など社会的に信用の置ける極く少数の会員のみで閉鎖的に運営されているというのが実情です。 ……しかし。北見様は当古物商店の上得意様でもあり、 信頼に足る人物だということは重々承知いたしております。 そこでどうでしょう。以下の会員規則に目を通して、それに同意していただけるようであれば、 北見様を「マスカレヱド」の会員として正式にお迎えしたいと思います。 会員規則だと……。 なるほど…。秘密厳守に関する注意書きが随分と多いな…。 他人の素性の詮索も禁じられているわけか。 …ナァニ、そんなことはむしろ、願ったり叶ったりだ。 市蔵はニヤリと笑うと、古物商の店主に宛てて入会希望の手紙をしたため投函を命じたのでございます。 --------------------------------------------------------------------------------- ・百合乃から市蔵への手紙 たいそうご無沙汰いたしておりました。 おじ様、覚えていらっしゃいますか?孤児院・ロザリオ園の百合乃です。 わたしはあれからすっかり身体も丈夫になりました。 おまけに先月から、ロザリオ園の正式職員として、働かせてもらっているのです。うれしい! すべて、おじ様のおかげです。ほんとうにありがとうございました。 このたびはご報告とお礼まで。――百合乃。 市蔵は百合乃への返事を書きます。 「事情があって自分の正体は明かせないが、百合乃の今後の活躍を期待する」という旨の紳士的な手紙を。 あたかも真人間が書いたかのような文章……。 市蔵の心の中に残っている一抹の良心が、一瞬、かすかに痛んだような……。 しかし、それはほんとうに一瞬だけのことでございました。 「足長おじさんを気取ってみるってのも、まんざら悪くないものだ」 --------------------------------------------------------------------------------- ●展開 マスカレヱドでの倒錯の世界にのめり込んでゆく市蔵。 倶楽部に現れた美女翠子の危険な魅力も市蔵を惑わせる。 さらに彼女の従者、残酷な狩猟者ローザの登場。 倶楽部はさらに混沌とし、妖しく燃える。 次第に倶楽部内での影響力を増しながら、やがて市蔵は事業に失敗した貿易商に代わり、 マスカレヱドをオーナーとして引き継ぐこととなる。 同時に柘榴の所有者にもなり市蔵は確実に人としての道を外れていく。 自らの陥った堕落の谷の深さにおののく市蔵であったが、 ヒトデナシ市蔵にはその蜜の味から、自らを遠ざけるような意思の力はあるはずもなかった。 そんな彼のか細いよりどころは聖女百合乃であった。 だが、書簡を往復するうちにお互いの距離は意外な形で接近しつつあった…。 --------------------------------------------------------------------------------- ――ヒトデナシと二人の少女の倒錯の世界 マスカレヱドは様々な人間の欲望を呑み込んで、ますます苛烈さを増し酸鼻を極める。 柘榴との刺激的な生活は中毒性を持って、どんどんと市蔵を犯してゆく。 昨日の刺激は今日はもう効かない…。 やがて市蔵は無垢で可憐な宝物のような少女、百合乃さえもその手に穢してしまう。 しかし恥辱は百合乃をかえって美しくしてゆき、市蔵を驚かせる…。 倒錯に彩られた二重生活が加速をつけて滑り降りて続く……。 彼を愛するまったく違う性質と生まれを持つ二人の少女。 導き導かれながら、主人公は倒錯にのめり込んでゆく。 終わりのない不安と絶望に苛まれる日々。 倒錯の刺激はモルヒネ。市蔵はヒトデナシ。もはや堕ちてゆく先は…。 登場人物 【ひたすら堕ちゆく、投げ込まれし小石の如く】 ●北見 市蔵 甘美な『死』の誘惑と、苦渋に満ちた…しかし決して捨てえぬ『生』への執着。 表裏一体の自己愛と自暴自棄。 本編の主人公。 裕福な家の長男に生まれる。 もともと豊かな旧家だったが入り婿の父が起業した会社が戦争で大儲けし、 ますます資産が増えていった。 母は既に他界。父親を嫌って家を出た後、現在もダラダラと隠遁生活を続けている。 人間嫌いの性向が強く、労働意欲もない。 西洋の精神医学を研究していると自称しているが、仕事をしている様子はない。 金が尽きれば、臆面もなく軽蔑しているはずの父親の所に無心に行く。 猟奇SM雑誌の読者欄に投稿したり、同好の士と文通したりして、自堕落な日々を送っている。 【情欲の炎に身を焦がす迷える聖母(マリア)】 ●丘 百合乃 (CV:朝咲そよ) 信仰と情欲の狭間、常に迷いその身をよじる。 堕落と懺悔を繰り返し続ける心弱き憐れな存在―― 孤児院ロザリオ園のシスターであるが、彼女自身もこの園で育った孤児である。 八年前、現院長である修道女に捨て子として拾われている。 不幸な出自にも関わらず、百合乃は心優しく美しい少女に育つ。 敬虔なクリスチャンとなった彼女は、成長後も園に残って奉仕活動を行っている。 孤児に注がれる深い愛情は人々の心を打ち、いつしか『孤児院のマリア』なる評判を得るに至る。 市蔵との関係は、彼が気まぐれで行ったロザリオ園への寄付をきっかけとしている。 市蔵にはただの子供じみた父親への反抗心に過ぎない寄付金も、 孤児百合乃にとっては素晴らしい贈り物であった。 当時の幼い百合乃は市蔵へ礼状を送る。 拙いながらも穢れない誠意に満ちたその内容に、さすがの市蔵も無碍にうち捨てることは出来ず、 うやむやのうち善良なるロザリオ園の一支援者を演じ続け現在に至る。 ヒトデナシに残ったかすかな良心であろうか、その後も手紙のやり取りのみに終始し、 その姿は一度も百合乃の前に現したことはない。 とはいえ百合乃は彼の愚かな苦悩など知る由もない。 いつも自分のことをあたたかく見守ってくれる、憧れの人… 彼女にとって市蔵は素晴らしい『足長おじさん』なのである。 【女はこの世の底から、その瞳(め)に天を映す――】 ●柘榴 (CV:田中美智) 何事も求めず、何事も拒むことはない。 背中の刺青は地に這う宿命の十字架である。 同じく地を這うすべてのもののすべての罪を贖うため―― マスカレヱドに現れる、虚しく乾いた瞳をした刺青(しせい)の女。 柘榴と呼ばれていること、その背に見事な龍の刺青のあること。 それ以外はすべてが謎。その国籍すら不明である。 市蔵は初めて訪れたマスカレヱドで、半ば見世物の如く舞台に引き出された彼女と出会う。 荒縄で縛られ、大勢の客の前で乳房を弄られる柘榴の姿に市蔵は大いに興奮する。 食い入るように見つめる市蔵の好奇の視線に不意にぶつかる柘榴の視線。 視線はすぐに流れ過ぎるが、その暗い瞳は市蔵に深い印象を与えた。 その後もマスカレヱドの舞台に上げられるたび、柘榴はどんな苛烈な行為すらも受け入れる。 しかし拒む様子はまるでない。むしろ責め苦を与えられるたびにその姿は輝くようにも思えた。 そんな柘榴に市蔵は次第に興味を惹かれていく。 後に市蔵はマスカレヱドの権利と共に柘榴を手に入れることになるのだが… 【あでやかに咲き誇る退廃の赫き薔薇】 ●芳野 翠子 (CV:涼森ちさと) 時代という激流に立ち向かう女。 激しく咲き誇り乱れ散る、薔薇色の人生(ラ・ビ・アン・ローズ)―― マスカレヱドに現れる豪奢な身なりの妖艶な美女。 銀座の高級カフェーのホステスだがパトロン探しに困ってる様子はない。 自らその魅力を自覚し、愚かな男たちを振り回すことを楽しんでいる。 マスカレヱドにはパトロンの一人の連れとして登場した。 常に有力なパトロンの間を渡り歩いているが、プライド高く、男に媚びるようなことはない。 自分自身に強い自信があり、全てにおいて失敗を考えようともしない。 事実、男勝りな度胸のよさと巧みな人心掌握術による非常な商才で、 次第にマスカレヱドにも強い影響力を持つようになっていく。 なお本人は過去のことを語ろうとしないが、時々漏らす訛りによれば関西京都方面出身らしい。 【その少女、天使のように可憐、悪魔のように残酷――】 ●ローザ (CV:森川陽子) 碧眼(サファイア)の奥に宿る真紅(ルビー)の狂気に気付ける者は幸いだ。 彼女は微笑のままに獲物の喉笛を噛み千切る凶暴な野獣。 完全なる無垢ゆえの完全なる冷酷。 金髪碧眼の西洋人の娘ローザは翠子の連れとしてマスカレヱドに登場した。 黒いドレスに身を包んだ、 まるで人形のように可憐な美少女の登場にマスカレヱドはにわかに色めきたつ。 しかし歓呼の声はすぐに戦慄の沈黙に塗り替えられてしまう。 無遠慮に触れたうかつな紳士の頬をローザの爪が引き裂いたからである。 客はそこで初めて少女の凶暴性に気づいたのである。 この獣のような少女がどのようにして翠子のもとにやってきたのかは不明。 その容姿の完璧な美しさ、豹のようにしなやかな身のこなしに どこか生まれのよさを感じられないこともないのだが…。 【光なき盲(めしい)の少女が、すべてを照らす】 ●田辺 小梅 (CV:佐々木あかり) 限りない暗闇の中で惑う者たち。 照らすのはかすかなともしび―― 市蔵の身の回りの世話をしてくれる盲目の無口な侍女。 まだ若いがきちんと家事はこなす。いつも静かに微笑んでいる娘。 元々は、父親が雇っていた女中のひとり。 幼い頃から共に生活してきた妹のような存在である。 市蔵の周りには、怪しい雑誌や秘密の郵便物など、他人に見られては困るものが多いので、 むしろ彼女が盲目であることは、市蔵にとって好都合である。

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