[リクエスト受付中] [TinkerBell] グランギニョルの夜 [VJ011644]
■あらすじ 「あいつら元気かなあ」 窓際に頬杖をつき、松瀬渚はクスクス笑った。 一両きりの電車。 車窓の景色はどんどん緑一色になっていく。 山が近い。 夏休みから卒業までの数ヶ月を、両親から離れ田舎で過ごすことになった渚。 仲の良い友人たちの姿を思い、自然、心は浮き立った。 明るく元気な一臣。 控えめだがしっかり者の光。 少しマセたところのある、一臣の妹・一葉。 渚はこの夏休みが楽しみで仕方なかった。 皆と再会出来るのが嬉しくてならなかった。 だが―― 「……」 ふ、と一瞬。 おかしな感覚が、渚の背筋を這ったような気がした。 なぜだろう? 憂うことなど何もない。 ――何もない、はずなのに。 車内アナウンスが響いた。 ややあって、電車のスピードが落ちていく。 山と水田。 遙か向こうにちらほらと、申し訳程度の民家。 それだけしか見えない寂れた駅のホームに、電車はゆっくり滑り込んでいった。 …… 登場キャラクター ●新堂 灯里 (CV:かぐや凛子) 新堂家の長女。 数年前事故で両親を亡くし、今は妹の夜海と執事の黒滝と三人で暮らしている。 穏やかでおっとりした性格。 「ここでこうして……ずっとこのまま、こうしていられたら……」 ●新堂 夜海 (CV:雨音未来) 新堂家の次女。 口数が少なく、人とあまり交流しない。 いつも学校の図書室で本を読んでいる。 「私はこの村が好き。――ここで生きていくのが好き」 ●松瀬 渚 海外出張の両親と離れ、残りの学生生活を祖父母の田舎で過ごすことに。 新堂家に居候することになる。 ごく普通の少年は、ごく人並に人生に悩んでいるが…… 「三年前の、あの夜。僕は――」 ●杉江 光 (CV:いねむりすやこ) 渚と同い年の村の少女。 数年前、何者かによって両親を殺され天涯孤独の身に。 今は親戚である萩本家に居候し、学生生活を送っている。 少し引っ込み思案。 「ごめんね。私、いるだけで、皆に気をつかわせちゃうみたい」 ●萩本 一臣 渚と同い年の村の少年。 明るく元気な性格で、面倒見がいい。 長年灯里に片思いを続けており、灯里に好かれるいい男になるため特訓中。 案外照れ屋で、灯里とマトモに言葉を交わしたことはほとんどない。 「俺だって、チャンスがないわけじゃないよな?」 ●萩本 一葉 (CV:今谷皆美) 一臣の妹。 村での生活が嫌いで、東京に憧れている。 率直に言ってしまえば単に臆病なだけである。 おしゃれや流行が大好き。 一刻も早くこの村を出て行きたい、と思う一方、黒滝に麻疹的な恋心を抱いているので少し悩んでいる。 「あたしはどうせ、一生誰の一番にもなれないんだ」 ●黒滝 周 新堂家の執事。 灯里と夜海の番犬のような存在。 「私はいつでも、お嬢様方のお側に」 ●加賀美 冬司 いい加減な言動で千鶴を怒らせてばかりいる。 実は優秀らしいが…… 「俺ァもう、マトモな仕事なんかする気はないんだがな」 ●穂坂 千鶴 (CV:手塚りょうこ) 仕事をしたがらない冬司を必死に追い立てている 密かに冬司を想っているのだが、成就は諦め気味。 「私は加賀美さんに仕事をして頂きたいんです」